近年の PMBOK で重視されるステークホルダーマネジメントとコミュニケーション。AP科目Aでも増えてきた論点。
ステークホルダーを特定して、影響力 / 関心度マトリックス (Power-Interest Grid) で分類、そのあと関与計画の策定 → 関与の管理 → 監視、という流れですね。
Power-Interest Gridって何?
影響力 (高/低) × 関心度 (高/低) の4象限で分類するのよ。
高/高は『密接に連携』、高/低は『満足度を維持』、低/高は『情報を提供』、低/低は『最低限の監視』、というふうに関与の方針を変えていくの。
コミュニケーションマネジメントって、何をするんですかぁ?
情報の収集・配布・保管を計画・管理するプロセスです。
誰に・何を・いつ・どの方法で伝えるかを定義した『コミュニケーション計画書』が成果物になります。
APでは『コミュニケーションチャネル数の計算 N(N-1)/2』と『関与レベルの分類』が頻出よ。
影響力と関心度から関与策を決める
社内販売システム刷新を例に、経営責任者は影響力が高く関心度も高いため、重要判断へ参加してもらい密接に連携します。法務部門は承認権限が高い一方、日常の関心は低いなら、必要な節目で説明して満足度を維持します。現場利用者は権限が低くても関心が高いため、試用会や定期ニュースで情報を提供し、要件漏れを防ぎます。分類は固定ではなく、反対運動や組織変更が起きれば更新します。
特定した各人について、現在の関与レベルと望ましい関与レベルを「不認識・抵抗・中立・支援・主導」で比較します。たとえば現場責任者が現在「抵抗」、望ましい状態が「支援」なら、懸念を個別面談で確認し、移行リスクの対応策と意思決定への参加方法を計画します。単に大量の情報を送るのではなく、期待する行動変化に合う手段を選ぶことがポイントです。
チャネル数と伝達方式を計算・選択する
全員が互いに直接連絡できる経路数は N(N−1)÷2 です。8人なら8×7÷2=28経路です。ここへ2人追加すると10×9÷2=45経路となり、増加は17経路です。「人数が2人増えたから2経路だけ増える」という誤答は、追加メンバーが既存全員とも結ばれる点を見落としています。なお、この式は潜在的な一対一の組合せであり、会議の参加人数や実際のメッセージ数を表す式ではありません。
| 方式 | 向く状況 | 例 |
|---|---|---|
| 双方向型 | 即時の認識合わせ・合意形成 | 会議、通話、ワークショップ |
| プッシュ型 | 指定相手へ確実に送付 | メール、通知、報告書配信 |
| プル型 | 大量情報を必要時に参照 | ポータル、文書リポジトリ |
緊急障害の意思決定をポータル掲載だけで済ませる、全員へ同じ詳細報告を送り続ける、といった選択は目的と方式が一致しません。「誰に、何を、いつまでに理解・決定してほしいか」を先に定め、機密性、緊急性、記録の必要性も加えて手段を選びます。
確認クイズ
10人のメンバーから成るチームで、全員が互いに直接コミュニケーションを取る場合のコミュニケーションチャネル数はいくつか。
- 10
- 20
- 45
- 100
こたえを見る
正解: 3. 45
コミュニケーションチャネル数は N(N-1)/2 = 10×9/2 = 45。人数が増えると組合せ的に増えるため、大規模プロジェクトではコミュニケーション計画 (誰が誰と通信するか) の設計が重要になります。