SWOT・5フォース・PPMは、同じ経営戦略の道具でも分析対象が異なります。IPAの応用情報技術者試験シラバスで扱われる用語を、目的、軸、結果の使い方まで区別して整理します。
SWOT分析 は内部 (S 強み・W 弱み) × 外部 (O 機会・T 脅威) を整理する手法。
5フォース はポーターの業界収益性分析。
PPM は事業の選択・撤退を判断する手法。
ねぇ、5フォースの『5つ』って何があるの?
新規参入の脅威・代替品の脅威・買い手の交渉力・売り手の交渉力・既存競合の競争。
これらが業界全体の収益性を決める、というポーターの理論よ。
PPM はマトリクスの図でしたよねぇ?
市場成長率 (高/低) × 相対的市場シェア (高/低) の4象限で、『花形・金のなる木・問題児・負け犬』に分類します。
経営資源の最適配分を考える手法です。
AP では『SWOT のクロス分析』『5フォースの構成要素』『PPM の各象限の戦略』が頻出なのよ。
三つのフレームワークを使い分ける
SWOT分析は自社の内部環境であるStrength(強み)・Weakness(弱み)と、外部環境であるOpportunity(機会)・Threat(脅威)を分けます。例えば、学習アプリ企業の「開発者の専門性」は強み、「知名度の低さ」は弱み、「オンライン学習市場の拡大」は機会、「大手の新規参入」は脅威です。好ましいことをすべて強みに入れるのではなく、自社で制御しやすいかどうかで内外を判定します。
5フォース分析は、個別企業の長短ではなく、業界の競争構造と収益を圧迫する五つの力を見ます。PESTの政治・経済・社会・技術はマクロ環境、5フォースは業界構造という違いがあります。選択肢に「技術動向」「法改正」が単独で出たら、まずPESTを疑います。
PPMは、複数事業を市場成長率と相対的市場占有率の二軸に置き、経営資源の配分を検討する方法です。高成長・高シェアの花形、低成長・高シェアの金のなる木、高成長・低シェアの問題児、低成長・低シェアの負け犬に分けます。ただし、分類だけで機械的に撤退を決めるものではありません。事業間の相乗効果や将来性も含めて判断します。
よくある誤答
- SWOTの「強み・弱み」を外部環境、「機会・脅威」を内部環境として逆にする。
- 5フォースにPESTのTechnologyを混ぜ、五つを六つにしてしまう。
- PPMの軸を売上高と利益率だと思い込む。基本の軸は市場成長率と相対的市場占有率。
- クロスSWOTを結論そのものと考える。組合せは戦略案を出す入口であり、実行可能性の評価が別に必要。
出題範囲の確認先: IPA「試験要綱・シラバス」
確認クイズ
ポーターの『5フォース分析』に含まれない要素はどれか。
- 新規参入の脅威
- 代替品の脅威
- 技術トレンドの変化
- 買い手の交渉力
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正解: 3. 技術トレンドの変化
5フォースは『新規参入の脅威・代替品の脅威・買い手の交渉力・売り手の交渉力・既存競合の競争』の5要因。技術トレンドは PEST 分析 (政治・経済・社会・技術) の Technology に該当します。
確認クイズ
PPMで、市場成長率が低く相対的市場占有率が高い事業はどれか。
- 花形
- 金のなる木
- 問題児
- 負け犬
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正解: 2. 金のなる木
低成長・高シェアは金のなる木です。比較的少ない追加投資で資金を生み、他事業への配分源になると考えます。