知的財産、労務、企業間取引の法令は、名称だけでなく、何を保護し誰にどの義務があるかを区別することが大切です。IPAの応用情報技術者試験シラバスVer.7.2では、旧「下請法」が「中小受託取引適正化法」に更新されています。
知的財産権 の主要な 4種: 特許権 (発明)・実用新案権 (考案)・意匠権 (デザイン)・商標権 (商品標識)。
著作権 は別系統 (申請不要・創作と同時に発生)。
特許と実用新案の違いは?
特許は自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度な『発明』を保護するの。
実用新案は物品の形状・構造・組合せに関する『考案』が対象。
存続期間は原則として特許が出願日から20年、実用新案が出願日から10年よ。
労働基準法 で押さえることは…?
労働基準法では法定労働時間が原則1日8時間・週40時間です。
法定時間外労働をさせるには36協定の締結・届出に加え、労働契約や就業規則上の根拠も確認します。
最低賃金は最低賃金法など、制度ごとの根拠法を混同しないことも大切です。
旧下請法は、2026年1月1日から中小受託取引適正化法、通称『取適法』になったわ。
中小受託事業者の利益を守るため、支払遅延や減額などに加え、協議に応じない一方的な代金決定、手形払等も禁止されているの。
知的財産権を保護対象で見分ける
新しい圧縮アルゴリズムの技術的アイデアは特許、プログラムの具体的なソースコードや画面素材という表現は著作権、製品の外観デザインは意匠、サービス名やロゴは商標、というように「何を守るか」で選びます。著作権は創作時に発生しますが、特許・実用新案・意匠・商標は特許庁への出願と登録が必要です。同じ製品に複数の権利が重なることもあります。
期間を問う問題では起算点にも注意します。特許権は原則として出願日から20年、実用新案権は出願日から10年、意匠権は現在の制度では出願日から最長25年、商標権は設定登録日から10年で更新可能です。「すべて登録日から」と一括して覚えると誤答になります。
派遣・請負と取適法の見分け方
労働者派遣では、派遣先が派遣労働者に業務上の指揮命令を行います。請負では、注文者が請負事業者の労働者へ直接指揮命令せず、請負事業者が仕事の完成について責任を負います。契約書の名称が請負でも、実態として注文者が直接指示していれば偽装請負が問題になります。
取適法では、対象取引・当事者の要件を確認したうえで、発注内容等の明示、受領後60日以内のできる限り短い支払期日の設定などの義務と、受領拒否、支払遅延、減額、買いたたき、協議に応じない一方的な代金決定、手形払等などの禁止行為を区別します。単に企業規模が違うだけで直ちに適用されるとは限らないため、問題文の委託内容と規模要件を読みます。
公式情報
- IPA「試験要綱・シラバス」
- 公正取引委員会「取適法」(施行日・改称・制度内容は2026年7月確認)
- 特許庁「産業財産権について」
- 厚生労働省「労働時間の基本的ルール」
確認クイズ
特許権の存続期間として、正しいものはどれか。
- 出願から 5 年
- 出願から 10 年
- 出願から 20 年
- 出願から 25 年
こたえを見る
正解: 3. 出願から 20 年
特許権の存続期間は出願日から20年。実用新案は10年、意匠権は25年、商標権は10年 (更新可) です。著作権は申請不要で、原則として作者の死後70年保護されます。
確認クイズ
2026年1月1日施行の中小受託取引適正化法(取適法)で、新たに明示された禁止行為として適切なものはどれか。
- 中小受託事業者との価格協議に必ず応じ、提示額をそのまま受け入れること
- 協議の求めに応じず、必要な説明もせずに一方的に代金額を決定すること
- 委託事業者が銀行振込で代金を支払うこと
- 中小受託事業者が複数の取引先と契約すること
こたえを見る
正解: 2. 協議の求めに応じず、必要な説明もせずに一方的に代金額を決定すること
禁止されるのは、価格協議の求めに応じなかったり必要な説明をしなかったりして、一方的に代金額を決定する行為です。相手の希望額を必ず受け入れる義務という意味ではありません。